2012年8月3日金曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(15): 初心者オジサン、伊予鉄模型で3DCADを覚える

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(15):初心者オジサン、伊予鉄模型で3DCADを覚える


3次元CADを触ったことがなかった人たちが、無償の3次元CAD「Autodesk 123D」を使った模型作りにチャレンジ。作業の面倒くささにもだえつつ、やがて3次元プリントまでたどり着いた。


 皆さま、お暑うございます。とにかく時間がたつのは早いもの。確か、ついこの前は設計・製造ソリューション展の話題で盛り上がっていたと思うのですが、それから早1カ月以上が過ぎ、気が付けば子どもたちは夏休み。そういえば、ちょうど去年の今ごろ、無償3次元CAD「Autodesk 123D」(123D)を紹介した記事「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」を書いていました。

 その後は、123Dを子どもの夏休みの宿題で使わせてみたり、伊予鉄のNゲージ製作で使ってみたりしました。

 実際、私の周囲で話を聞いてみると、「趣味レベルで、3次元CADが本当に使えるのか?」と、興味を持っている皆さんがいらっしゃる様子でした。ということで2012年7月に、私の会社で123Dを使ってみるセミナーを3回に渡って開くことにしたのです。今回は、その様子を紹介していきます。

(全文は、MONOistのウェブサイト上でご覧ください)



2012年7月5日木曜日

3DとAR iPhoneアプリの「妖精眼鏡」の最新版を試してみた

今朝、Twitterのタイムラインを何となく眺めていたら、ついにiPhoneのARアプリ「妖精眼鏡」の新しいパワーアップされたバージョンがアップされていた。

既にAndroid版のほうはリリースされていたが、Appleの承認の関係でiPhone版のほうが後から出てくるということになったようだ。

ちなみに、妖精眼鏡については既にアイティメディアの記事

「「妖精眼鏡」で遊んで考える、3Dデータのビジネス 」
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1204/13/news006.html
に詳細を書いているので、是非そちらもお読みになってください。

Autodesk123dに学ぶ アプリとクラウドの上手なつなぎ方

もう一年近く前にアイティメディアに寄稿した記事「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」は、現在も継続的にお読みいただけているようです。

ありがとうございます。

そもそも、3Dモデリングをやりたいのに、趣味に大金をかけられない個人はもとより、企業の方も興味があるのかもしれません。

何しろ特に初めて3D CADを初めて買おうとする場合には、3D CADの何たるか、どうやってモノを作れば良いのかもはっきりわからないうちに大金を使うには覚悟がいります。

評価版があるといっても、一ヶ月くらいの評価期間では、普段の仕事をしている間にあっという間に時間が過ぎてしまい、何もしないうちに期限が切れてしまっているということがよくあります。

はい、つい一昨日私がやらかしたことでもあります。

ということで、なにげにAutodesk123Dは便利でお手軽な無償3Dモデラーとして重宝されることになります。

このソフトのユニークなところとして、特に下記の3点がユニークだと思っています。

  • 無償であるにもかかわらず3次元で形状を作るための機能がほぼ完備されている
  • 無償にもかかわらず独自フォーマット以外に業界で使用される他のファイルの入出力が可能である
  • ファイルをクラウドでセーブでき、またみんなで共有できる
先ほど機能制限はないと言いましたが、実は上記の3つの特徴のうち、後の2点をうまく機能制限的に活用しています。

最近、Autodesk123dについての質問を受けることが多いのですが、そのうちの一が

「どうやったらSTEP形式で保存できますか?」
「STL形式で保存したいのにどうしたらよいのかよくわかりません」

というものです。

確かに、Autodesk123dはこれらを売りにしているのに File > Save as とやってもそのようなメニューがどこにもないのです。

123Dを起動しただけでは、独自形式でのファイル保存だけ


実は、これにはわけがあります。

Autodesk123dはベータ9のバージョンから、独自形式以外の形式でファイルを保存する時には、Autodeskのアカウントにログインする必要があるのです。このアカウントは123dをダウンロードした時に作ったアカウントに登録したメールアドレスとパスワードを使用します。

つまり、こういうことです。

Autodeskアカウントにログインする

クラウドに保存できるようになる(ログインしないとグレイアウト)

クラウドに保存した状態(共有するかどうかは選択可能)


独自形式以外のファイルフォーマットもサポートする

印刷メニューから3Dプリントも可能になる


これって実にうまいやり方ですね。アカウントの作成に必要な個人情報はメールアドレス程度です。それも面倒臭ければFacebookのアカウントでも登録できます。

また、このソフトを使うときには出来るだけのこのコミュニティを意識してくださいね、ということを意識もさせてくれる。

あまり意識をさせないで情報を共有させる新しいやり方か!?

普通に保存のアイコンでセーブしようとすると、クラウドのほうにセーブするように導かれます。(もちろんクラウドに保存したからといって、すぐに共有されるわけではありあませんが)

メニューの保存から保存すれば、これまでどおりローカルに保存できます。

また、この状態になって初めて、STLを初めとする他の形式での保存が可能になります。

従来は、期間制限とお金を払わないと解除できなかったものが、クラウドにログインすると使えるようになる、というのは今風のやり方だし、みんなを巻き込みやすいですね。

このような仕組みは社内のような閉じた環境でも色々と応用できそうですね。

例えば、社内でも有効に活用できるのに、個人のハードディスクの中にあって本人以外誰もその存在を知らないとか、はてはハードディスクがクラッシュして貴重な中身そのものがリカバリー不能の状態になってしまった、などということも避けられます。

2012年6月29日金曜日

コンピューター・ウィルスがこっそり貴重な設計情報がつまったCADデータを国外に送っていたら

もし自分の貴重な設計情報がこっそりと国外に送られていたらと考えるとゾッとしますね。

ところが、どうもそれが現実に起きているようですね。

6月28日付けのDesktop EngineeringのKenneth Wong氏の記事によれば、おそらくは業界を問わず最も使用されているであろうAutoCADをターゲットにしたマルウェアがセキュリティソフトを開発するESETにより報告されているとのことです。

単なるウイルスというよりは、産業スパイを目的としたものと考えられるというのがESETの見解です。

ファイルの感染は、よくありがちなパターンのようでウイルスに感染したAutoCADのファイル(DWG)を開くことでPCがウィルスに感染し、中国の163.comというプロバイダに存在するメールアカウントに知らないうちに勝手にAutoCADのファイルが送信されてしまうというもののようです。

すでにAutodeskもこの事実を認識していてESETとともに対策をしているようです。同社のFAQのページにおいても「ACAD/Medre.A Malware FAQ」という形でそのマルウェアについての情報を公開しています。

このマルウェアはAutoLISPを悪用したプログラムで、DWGファイルを開くとSMTPを使ってDWGファイルを送信するとのこと。ちなみに、ウィルス対策ソフト各社によって、Lisp/Blemfox.A (Microsoft), Trojan.Acad.Bursted.W (BitDefender), ALS.Bursted.B (Symantec)という別名があるようです。

ESETの分析によれば、このウィルスの作者は愉快犯というわけではなく、目的が明確で情報を盗み出すことを意識しているように見えるとのことです。

これは特定のCADの特定の形式のファイルを盗み出すことを目的にしています。またピークを超えてからはこのウィルスの活動は落ち着いていりょうです。

とはいえ、自分が当該CADを使っていないから安心だとは全く言えません。

もし、特定の3D CADのデータ形式を盗み出したほうが目的を達すると考えれば、何かそのような方策を実行するでしょう。

Vanity Fairの記事においても、サイバー産業スパイのプログラムは開発され続けていて、いったいどのくらいの企業が影響を受けているのかはよくわからない、という状況です。

ちょっとしたことですが、ご自分がお使いのPCのセキュリティは常に確保されているでしょうか。設計に使用するPCは、ネットワークから切り離されているとしてもやはり注意が必要でしょう。

インターネットに接続していなくてもUSBメモリなどを経由して感染するということはありますし、それにより逆に他にウィルスを自分が拡散させる原因にもなりえます。悪意がなくても不注意な人間系の行動でも情報をばらまいてしまう可能性あります。

マルウェア対策ソフトを常に最新の状態にしておくことは常識として、それだけではなく、私も機械設計誌(2012年7月号)で紹介したセキュリティ対策等の最新情報を得て、検討するなども考える必要があるでしょう。

というのも、自社ですべてのプロセスが完結する、ということはほとんどないでしょう。外部との協力企業と仕事をするということはあたりまえでしょうし、その際にやり取りするものは、どんどんデジタルファイルになっていきます。

今後も、CADを含む自分が使用しているソフトに関連するセキュリティ情報に気をつける他、ウィルス対策ソフトを含む、様々なサイバーセキュリティについての情報に気を配っていきましょう。

感染すれば被害があなたにとどまらず、関係者にも及ぶかもしれませんので・・・。



2012年6月26日火曜日

長野の内視鏡のメーカーが自社の工業用内視鏡と汎用タブレットを連携

ちょうど一週間前の話ですが、6月18日付の日刊工業新聞によれば、長野県のSPIエンジニアリングが、自社製品の内視鏡カメラとウィンドウズ搭載のタブレットやパソコンと連携するためのアダプタ製品「HKT-USB」が6月20日に発売とのことです。

企業URL:http://www.spieng.com/

これによって同社が製品化している内視鏡とタブレットやパソコンをUSBで簡単に接続することができます。

実は、SPIエンジニアリングについては、筆者も過去に取材をしたことがあり、その内容は機械設計誌(日刊工業新聞社)の2011年5月号で発表しています。

(「変わるモノづくり現場 第20回 ITによる開発営業戦略の融合で活路を見出す」)

SPIエンジニアリングは、長野県長野市に本拠を構える工業用内視鏡のメーカーです。

工業用内視鏡にニーズは様々なところにあります。

例えば、住宅のリフォームなどの際に誤ってガス管に釘を売ってしまうというようなことがあります。その際に、実際にガス管がどのようななっているか、というチェックに使用したり、あるいはビルで光ファイバーなどを通す管が確かに設計通りに施工されているか、というような場合に、工業用の内視鏡が活躍するのです。

今回の発表によれば、従来は専用液晶モニターが必要なものを汎用のタブレット端末で画像を確認できるようになるということになります。

さて、一見何気なく思える内視鏡とタブレットの連携ですが、ある一点で着目に値します。

それは、顧客にとってコストをかけずに既存のリソースを使って内視鏡のメリットを享受できるということと、自社も無用にコストを削ることなく売上を伸ばしていける可能性があるということを両立できる可能性がある、ということです。

前述の機械設計誌の記事にも書いているのですが、同社はベンチャーで小規模という特徴を活かして、大手の工業用内視鏡メーカーが手をだしてきていなかった、品質を大事しながらも安価で数を揃えなければならない現場向けの内視鏡の開発をして注目され顧客を獲得してきました。

開発においても、小回りがきくことを活かして顧客の声を即製品に反映しながら行なっています。

今回のUSBを使ったアダプターの開発においては、顧客の声がどのように反映されたのか筆者は存じていませんが、そのような声が顧客がから上がっていたとしても全く不思議ではなありません。

現在、あらゆるアプリケーションにおいて画像はソフトウェアで処理されています。そのソフトウェアの多くはWindowsなどの汎用PCで動いているはずだ。また汎用PCも低価格化が進むと同時にグラフィックの性能も向上しています。

つまり、わざわざ専用の液晶モニターを使う必然性がなくなってきているといえるでしょう。

顧客にすれば、そのコストが削減されることは間違いなくメリットだとおもいます。

その一方で、SPIエンジニアリングの強みはやはり内視鏡本体の開発能力であろうと私は考えています。それを考えると専用液晶モニターを使う意味は薄いと考えてもそれほどはずしてはいないでしょう。

それよりも、自社の強みである内視鏡本体に既に充分な性能を持つ汎用品をつなげることは、ある意味で必然なのかもしれません。

このことは他のモノづくりのメーカーにも言えることができるでしょう。

今、自分が当たり前だと思っている専用品による製品構成が実は妥当なのかどうか、を一歩引いて、「もし自分がユーザだったら」と考えてみることも大事です

ハードウェアにせよ、ソフトウェアにせよ、かつては高価な専用品が必要であったが、今はあらゆるものが安価に調達することができます。本当に専用品が必要だということは少ないのではないでしょうか。

大事なことは「自社のコアな強みである製品本体」と「汎用のソフトやハード」をつなげることで、どのような新しいプロダクトやサービスを生み出すことができるか、ということに気がつくことだと思います。

お客も自分も喜ぶ組み合わせは何なのか?をこれまで以上に考えていきたいですね。