もうそろそろ、クリス・アンダーソン氏の新著「Makers」が発売予定ですね。
MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
この中で、アンダーソン氏はアイデアとラップトップさえあれば、誰でもメーカーになれると説いています。そして、これによって世界の産業構造さえ変える可能性があると説いています。
さて、本当に産業構造を変えるかどうか、ともかくとして私自身もつい先日出版した
デジタルで起業する!
で、同じような主張をさせていただいております。
詳しくは、是非拙著をお読みいただければ幸いです。
さらに、3Dプリンタはさらに身近なものになってきています。様々なテレビ番組で取り上げられたり、さらには、実際に一人メーカーをやっているBsizeの八木氏が、NHKのサキドリに取り上げられるなどその露出が増えていることもあるかもしれません。
さらに、3Dプリンタを実際に見たり、試したり、あるいは出力サービスといったものもここ1、2年で増えてきています。
確かに、品質もまだ向上の余地があるものの、個人が所有できるデスクトップツールでもアイデアを形にできる時代がやってきました。
ただ、一点危惧するのは、一般的な報道だと本当に誰でも無条件で自分のアイデアが形にできてしまう、と理解されかねないところだと思います。
確かに、3Dプリンタなどがあれば、すぐに実物を出力することができます。でも、そこに一つ大きな条件があります。
それは・・・自分で3Dデータを用意できれば・・・という条件です。
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先日無償の3DCADであるAutodesk123Dについて、ウェブで検索していた時何となく、気がついたのですが、Autodesk123Dのモデラー本体もさることながら、Autodesk123D Catchについての情報も多いのです。
「なぜなの・・・?」と考えました。もちろん、身近なもの、例えば好きなキャラクターなどを3次元化できたら面白いかもしれません。好きな小物も3D化できたら面白いかもしれません。
でも、もっと根本的な問題があるのでは?と考えました。
それは多分、
「例えば3Dプリンタで出力するためには、3Dデータとか言うものが必要らしい」
→
「でも、自分では作ることができない。どうしようか?」
→
「実は3Dスキャナーとかいうものがあるらしい。それに写真から3Dデータを作るものもあるらしい」
という結論に至り、探していたらAutodesk123D Catchの存在を探り当てたとのということではないでしょうか。
3Dのモデラーについては、無償でそれなりのものができるツールが出てきています。それが、Sketch Upだったり、前述のAutodesk123Dであったりします。
「Autodesk123D」については、筆者が連載しているMONOist上での連載記事「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる? 」をはじめとして、何回か説明をしていますが、継続的にお読みいただいているようで、やはり手軽に廉価でモデリングをしたい、という需要は根強いようです。
ただ、このようなツールの登場で、モデラーの価格の問題は片付きつつあります。
それでも、やったことのない人にとっては、3Dモデリングのハードルは高いものですし、そもそもモノが欲しいだけであって、そのためにモデリングまで学びたくない、という人もいるでしょう。
つまり、実はビットとアトムをつなぐ3Dモデリングが、「デジタルで起業する!」や「Makers」の主張を現実にする鍵と言えそうです。
ちょっと、考えすぎかもしれませんが、意外にAutodesk123D Catchのようなツールが求められるのは、そんなところかもしれませんが、一般の報道でも見過ごされがちな「3Dのモデラー」と「3Dのデータ」の存在と価値は、ビットとアトムをスムーズにつなぐ上での最も大事なポイントであり、また解決すべき課題なのです。
こちらも是非お読みください。
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